雑記ノートBLOG
陸の孤島
本日付の紙面で、京丹後市が航空会社らと3者で取り組む地方創生プロジェクトを紹介した。その取材では、同市が時間距離で「東京から最も遠いまち」の一つであることが分かった。では、公共交通機関でどれくらい時間が掛かるのか。最短を探ったが、どうしても5時間以上になった▼以前、同市の経営者から聞いた話を思い出した。ある賞を受賞し、表彰式で東京に行った時のこと。全国から受賞した企業の代表が集まり、同市よりもはるかに遠い地域からの出席者もいたが、その経営者ほど時間を掛かけて来た人はおらず、交通の利便性の悪さを実感したという▼東京から見れば、「陸の孤島」のような地域だ。ただ観光で考えると、プラスの要素にもなり得る。旅行は非日常を楽しむ面がある。「長寿」や「丹後ちりめん」といった同市ならではのものを求め、5時間以上掛けて移動するのも一興だ▼「移動を楽しんでもらう」。プロジェクトの発表会で3者が口をそろえた。全国でも例がないような取り組みなので、成功すれば「陸の孤島活性化」の先進事例となる。期待している。〔樋口〕