雑記ノートBLOG
タクシー
舞鶴の居酒屋で友人と過ごしていた時の話。ふと気づくと、周りにたくさんいたはずの客の姿がなく、我々だけに。まだ午後9時にもなっていないのにどういうことか。こんなことが何回も続いた▼コロナ禍で増えた「宅飲み」の定着、若者を中心とした酒離れなどが背景にあるのだろうと考えていたが、違った。地元のカウンター割烹の店主によると、皆が早々に帰宅する理由は「タクシーが来ないから」だそうだ▼タクシードライバーが減っているため、遅い時間になると、タクシーを呼んでも店に来るまでかなりの時間がかかるのだという。不便を感じる前に、早く帰ってしまう客が多いようで、客単価の減少につながっている▼コロナ禍の需要低迷で多くのタクシードライバーが退職。今もほとんどのタクシー会社が人員を補充できていない。客が早く帰るなら店側も早々に店を閉める。結果、開いている店がなければ客は早く帰る▼車社会である地方都市の繁華街が昔のようににぎわうのは一体いつになるのだろうか。飲み足りない思いで家路に着き、真っ暗な道でしみじみと思った。〔岩本〕