北近畿経済新聞ONLINE

地域経済の明日を見つめる

TEL.0773-42-6800

雑記ノートBLOG

免許返納

 11月下旬、大阪狭山市で高齢者が運転する車が暴走し、3人が死傷するという事故が起きた。原因はアクセルとブレーキの踏み間違いとみられ、高齢者に免許の自主返納を求める声が再び大きくなった▼私の両親も80歳を超えたが、買い物などに車を利用する。踏み間違いなどの操作ミスはないと思っているが、何の根拠もない。世の中の多くの人が「自分は大丈夫」「私の親は大丈夫」と思っているのと同じだ▼免許返納を求める気持ちは分かる。誰だって自分や家族が事故に巻き込まれるのは嫌だ。しかし一方で、根拠のない自信で返納を勧めないだけでなく、車が必要な様々な用事をお願いしている現役世代も多いのではないだろうか▼父はほぼ毎日、喫茶店で友人と話をしている。母は毎朝、自分で育てた野菜を直売所に持っていく。これが生きがいのようだ。もちろんともに車を使う▼子どもとしては、生きがいを奪ってまで、免許を返納しろとは言いにくい。自主返納を促すことも大事だが、高齢者が運転しなくても生活できる社会システムを構築することが地方では重要だと思う。〔塩見〕

共有

関連記事

  • NO IMAGE

    オープンファクトリー

    2023年03月01日

     ものづくり企業が工場などの生産現場を一般公開したり、来場者にものづくりを体験してもらったりする「オープンファクトリー」が北近畿でも行われている。市民…

    MORE
  • NO IMAGE

    陸の孤島

    2022年08月11日

     本日付の紙面で、京丹後市が航空会社らと3者で取り組む地方創生プロジェクトを紹介した。その取材では、同市が時間距離で「東京から最も遠いまち」の一つであ…

    MORE
  • NO IMAGE

    まちの進化

    2023年12月11日

     お弁当が買える店がない―。観光客のこんな声を受け、城崎温泉(豊岡市)におにぎり店がオープンした。取材の際、店内のイートインスペースでは観光客らが握り…

    MORE
  • NO IMAGE

    若者

    2023年05月11日

     「このまちにはなんにもない」。地元の若者からよく耳にする。ローカル紙の記者として胸が痛む言葉だ▼最近は毎日のように新しい店の取材に追われている。自社…

    MORE