雑記ノートBLOG
清白を子孫に
ことわざに「清白を子孫に遺す」がある。2千年近く前の中国の王朝・後漢の楊震という人物にちなむ言葉。子孫に残すべきは清廉潔白という美風で、役職を利用して蓄財した冨ではないと諭している▼自民党による政治資金パーティーの裏金問題が政界を揺るがしている。過去にも何度も繰り返されてきた「政治とカネ」問題の最新版(アップグレード版?)。「またか」という思いとともに、能登半島地震で大変な思いをされている人々が多くいる中で、「いったい何をしているんだ」という気持ちになる▼法に従って権力を行使する西洋発祥の「法治主義」に対し、東洋の儒教国は道徳によって民を治める「徳治主義」がとられてきた。日本でも江戸時代の官学が儒教(朱子学)だったこともあり、その風は根強い。問題発覚時に「不徳の致すところ」というのはこれによるが、今は法治もままならず徳治もできなくなっていないか▼楊震は賄賂を断った時にこんな言葉も残している。「天知る、神知る、子知る、我知る」(後漢書・楊震伝)。時代劇ではないが、お天道様はちゃんと見ている。 〔四方〕