雑記ノートBLOG
戦闘なき世界
2023年の新語・流行語年間大賞は、38年ぶり2度目の日本一に輝いた阪神タイガースの今季のスローガン、優勝を指す「アレ(A.R.E.)」に決まった。梅野隆太郎捕手の戦線離脱後、正捕手としてチームを優勝に導いた坂本誠志郎捕手は養父市出身。日本シリーズでは地元でパブリックビューイングも行われるなど、「熱い戦い」で関西は大いに盛り上がった▼同じ「戦い」でもウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナで続く戦闘の様子を画面越しに目にするたび、心が痛くなる。綾部市が2003年から取り組みを始めた中東和平プロジェクトの歓迎式典に、かつて参加したことがある。イスラエルとパレスチナの双方から紛争遺児ら数人ずつが来日し、〝敵同士〟という思いを超えて友情を温め合った。彼ら、彼女らが互いに向ける屈託ない笑顔が、まぶたに焼き付いている。事業がその後も継続しているのは救いだ▼正義は立場によって変わる。しかし戦争は、どの立場の正義のもとであっても許されるものではない。特に罪のない子どもたちが傷つく行為は即刻やめるべきだ。来年は「戦闘」のない一年であってほしいと心から願う。〔四方〕